カウンセラーによるDV講義
みなさん、こんにちは。
札幌市中央区にあるカウンセリングルームここころの嶋田です。
最近なにかと話題になっているDV。
いわゆるドメスティック・バイオレンスのことですね。
DVについて、みなさんはどのくらい知っていますか?
「言葉はよく聞くけど…」
「DVって暴力のことじゃないの?」
では、暴力とは具体的にどんな暴力でしょうか?
今回はDVについての正しい知識を持ってもらい自身をDVから守るために、この世からDVをなくすために、詳しくお話したいと思います。
DVってなに?
「配偶者や恋人など親密な関係にある(またはあった)者から振るわれる暴力」という意味で使われています。
「暴力」と聞くと、殴る、蹴るなどをイメージされるかもしれません。
果たしてそれだけでしょうか…?
以下の例をご覧ください。
Aさんは、一緒に住んでいるBさんから気に入らないことがあると叩かれたり、ものを投げられたりしていました。
また、Bさんはとても嫉妬深く、頻繁にAさんの携帯をチェックしたり、友人と出かけることを制限したりすることがあります。仕事に行かせてもらえないこともあり、職場をクビになってしまいました。かといって、Bさんが生活費をくれるわけではありません。さらにBさんは、Aさんが嫌がっても性行為を強要してきます。
さて、Bさんのどの行為がDVになると思いますか?
これは極端な例ですが、Bさんの行為はどれもDVにあたります。
DVの暴力の種類
DVにおける「暴力」は以下の4種類です。
からだへの暴力
こころへの暴力
性的な暴力
経済的な暴力
順番に見ていきましょう。
『からだへの暴力』
殴る、蹴る、叩くなど、からだを傷つけることです。
『こころへの暴力』
少しイメージしにくいかもしれません。
これは、心無い言動等により相手のこころを傷つけるもののことです。
・大声で怒鳴る
・友人とのつきあいを制限したり、電話やメールを細かくチェックする
・人の前で馬鹿にする
・大切にしているものを壊したり捨てたりする
・なぐるそぶり、ものを投げつけるふりをしておどかす
・両親のDVを子どもに見せる
こころへ暴力を受けた結果、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に至るなど、刑法上の障害とみなされるほどの精神障害に至れば、刑法上の傷害罪として処罰されることもあります。
『性的な暴力』
避妊に協力しない、性行為を強要する、などです。
『経済的な暴力』
生活費を渡さない、お金を巻き上げる、などです。
DVって誰が誰にするもの?
先ほどの例文を思い返してください。
AさんとBさんはどの性別をイメージされましたか?
Aさんが女性でBさんは男性と思われた方が多いでしょうか?
でも、ちょっと考えてみてください。
ひょっとしたらAさんが男性でBさんが女性かもしれません。
または、AさんもBさんも女性もしくは男性の可能性もあると思いませんか?
DVは身近にあるもの
大切なのは、誰でも加害者、被害者になる可能性があるということを知っておくことです。
知るということは、自分の身を守ることにつながります。
加害者にも被害者にもならないために、自身の行動を冷静かつ客観的にとらえて欲しいと思っています。
「DVをしているかも」「DVをされているかも」と思ったら、まずは信頼できる人、DVの専門家などに相談してください。
また、当事者だけでなく、身近にDV加害者被害者がいる場合もDVの専門家などに相談してみてください。
公共の相談機関もたくさんあるので参考にしてくださいね。
内閣府男女共同参画 DV相談ナビ
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/index.html
ストップDV(北海道の相談窓口)
http://www.l-north.jp/stop-dv/inquiry/