男性より女性のほうがうつ病になりやすい？

社会の複雑化やスピード化によって急増している心の病。そのなかでも特に多く見られるのが「うつ病」です。

現代が「ストレス社会」と呼ばれる大きな要因と言えるのが、この「うつ病」の急増でしょう。

「うつ病」というと、多くの人は、「男性がかかるもの」というイメージを持っているようです。

確かに、メンタルサポートここころにカウンセリングを受けに来られる方の中には、「うつ病」と診断されていたり、初期症状があらわれている男性が多く訪れます。

しかし、「うつ病は男性がかかるもの」というのは、あくまでもイメージに過ぎません。

実際は、「女性のほうがうつ病にかかりやすい」と言えるのです。

女性は男性の1.7倍

うつ病を含む気分障害の患者数は約112万人とされています（厚生労働省平成26年「患者調査」）。

このデータの内訳を見てみると、「女性のほうがうつ病にかかりやすい」ということがよくわかります。

全国の患者数約112万人のうち、実に6割を女性が占めているのです。

これは、男性の1.7倍に相当する数なのです。

女性の中でも特に働いている人はうつ病にかかりやすいと言えるでしょう。

男性にも共通して言える職場環境や人間関係のストレスだけではなく、昔から根強く残る性差別によるストレスがあります。

また、結婚・出産に関するストレスのほか、女性特有の身体的なストレス(生理痛や月経前症候群など)もあります。

さらに、更年期(一般的に45〜55歳頃)になると、ホルモンバランスが崩れることにより、さまざまな心身の不調があらわれ、それらが大きなストレスになる場合が多くあります。

ストレスが重なることによって、まず最初にあらわれることが多いのが「不眠」です。

不眠による睡眠不足から、さまざまな体調不良が起こりやすくなります。

睡眠は、私たち人間が生きるうえで必要不可欠なものなので、これが不足すると、あらゆる体調不良につながる恐れがあるので、「たかが寝不足」と侮ってはいけません。

さらに、身体的な不調だけではなく、心理面にも不調を来たすようになります。

多くの場合、「やる気が出ない」「何に対しても興味が湧かない」「好きだったことでさえ、楽しめなくなる」といった、うつ病初期の典型的な症状があらわれるようになることがあります。

さらに状態が悪化すると、外出したり、会社に行くことができなくなってしまうこともあります。

家族や友人、恋人など、親密な人間関係さえも悪化し、つながりが切れてしまい、孤立してしまうこともあります。

こうなると、その人の大切な「人生」にまで多大な悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

つまり、ストレスというのは、うまく対処しなければ、人生が破綻してしまう危険をはらんだ恐ろしいものであると言えるのです。

どんな病気でも、早期発見・早期治療が回復への最短コースです。

特に、女性はうつ病になりやすいので、より注意が必要です。

「ちょっとヘンだな・・・」と感じることがあれば、決して放置しないでください。

ほかにも、「最近、疲れがたまっているな・・・」「仕事がうまくいかないなぁ」「人に会うのが億劫だなぁ」「休みの日に出かけるのが面倒だなぁ」といった場合も、そのままにしておかないでほしいものです。

このような、「ちょっとヘンだな・・・」という小さな違和感を感じたら、精神科や心療内科を受診するのも方法のひとつです。

しかし、いきなり医療機関に行くことに抵抗を感じる人も少なくありません。「これくらいのことで病院に行くなんて・・・」と考え、放置してしまい、悪化させてしまうというケースも多く見られます。

そのため、精神科や心療内科に行く前に、カウンセリングを受けることを強くお勧めしたいのです。

症状が軽い場合は、医師の診察や薬の処方を受けなくても、生活習慣の改善や、ストレスへの対処法・発散法などを知って、実践するだけで改善する場合があります。

また、カウンセラーは医師ではないので診察・診断はできませんが、これまでに多くのうつ病患者やその予備軍と言える人たちを見てきているため、経験上、医療機関の受診が必要かどうかの判断ができることもありす。

そして、「必要」と思われる人には、その旨をお伝えすることもできます。

いずれにせよ、「ちょっとヘンだな・・・」と感じたら、まずはカウンセリングを受けてみることを考えてみてはいかがでしょうか。

冒頭でも述べたように、女性は男性よりもうつ病にかかりやすいと言えます。

そのため、男性以上に、うつ病に対する意識を強く持ち、早期発見・早期治療に努めてほしいものです。

さらには、「予防」ができれば理想的と言えるでしょう。

メンタルサポートここころでは、うつ病をはじめとする心の病に関するご相談対応、カウンセリングを実施しています。

こうした活動の中では、心の病の早期発見・早期治療を目指すだけではなく、「予防」にも力を入れています。

「ちょっとヘンだな・・・」という違和感を感じるレベルから、病的なレベルへ進展させないためにも、予防が第一です。

それには、「心の健康診断」「心のメンテナンス」という感覚で、気軽に、できれば定期的にカウンセリングを受けることをお勧めします。

私たちカウンセラーが、あなたの心の健康管理をお手伝いさせていただきます。