「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」(アルフレッド・アドラー)
メンタルサポートここころを訪れる人の相談内容は多岐にわたりますが、その中でも一番多いと言えるのが、人間関係に関するものです。
人は、一人きりでは生きてはいけないので、必ず誰かと関わりながら生きているものです。
そして、周りの人たちは、すべて自分と違う人なのですから、それぞれとうまくやっていくのは大変なことです。
どうしても、衝突してしまったり、すれ違ってしまったりして、「合わないなぁ」「うまくいかないなぁ」「どうすればいいんだろう?」と思い悩むこともしばしばではないでしょうか?
このように、人間関係を構築し、良好に保っていくということは、非常に難しいものなのです。
アドラー心理学の創始者である精神科医のアルフレッド・アドラーは、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と言っているほどです。
実際、カウンセリングルームに来られる人の相談内容の多くは、人間関係(対人関係)によるものと言えます。
人間関係の悩みは「永遠の課題」
一見すると、人間関係以外の悩みのようでも、よくよく見てみると、やはり「人間関係」に行きつくというケースがほとんどです。
たとえば、会社員が「仕事の悩み」と言っていることであっても、よくよく話を聞いていくと、「上司のものの言い方」(キツい、嫌味っぽい、声が大きいなど)だったり、「同僚の態度」(やる気がない、いい加減、他人に厳しいなど)といったことで困っている・・・というものであったりします。
これらは、「仕事の悩み」とか「職場の悩み」と表現されることが多くありますが、突き詰めれば「人間関係の悩み」であることがわかると思います。
あるいは、「仕事が忙しい」「残業が多い」「休日が少ない」といった悩みであっても、仕事の量や残業時間、休日日数を左右したり、最終的に決定づけるのは、ほかならぬ「人」であることを考えると、こうした悩みも「人間関係の悩み」と言うことができるわけです。
このように考えると、あらゆることが「人」と関わっているわけですから、私たち人間が「人間関係」で悩むのは当たり前のことと言えるのです。
言い換えれば、私たちが生きている限り、避けることのできない「悩みのタネ」、もっと言えば、「永遠の課題」ということになるでしょう。
もしかすると、自分自身も、誰かの「悩みのタネ」になっている可能性も否定できないのです。
誰もが「人間関係の悩み」を解決する力を持っている
私たち人間にとって、いや、私たちが人間であるからには、絶対に避けることのできない「人間関係の悩み」。
避けることができないのであれば、うまくやり過ごしたり、上手に付き合っていくしかありません。
これは、非常に大変なことのようですが、私たちが人間である以上、自ら解決する力を持っているのです。
しかし、悩みを解決できずに悩んでしまうのは、自分の力の存在に気づいていなかったり、本来の力を発揮できない状態にあるだけなのです。
カウンセリングで心の状態を整える
私たちは、人間である以上、人間関係の悩みを自ら解決する力を持っていると述べました。
そして、悩み続けるのは、その力を発揮できなくなってしまっているからだということも述べました。
したがって、悩みを解決するためには、その人が持っている本来の力を発揮すればいいだけなのです。
ところが、これが容易ではない場合があります。つまり、自分だけで、発揮できなくなっている力を引き出すことが難しい場合があるのです。
なぜなら、自分が今どのような状態にあるかを客観的に把握するということは簡単なことではないからです。
つまり、自分のことは自分ではなかなかわからないものだということです。
しかし、他人から見ればよくわかるということも少なくありません。特に、その道のプロが見れば、一目瞭然ということもあります。
私たちカウンセラーは、「心のプロ」ですから、お話を聞くなかで、その人の心がどのような状態にあるのかを的確に見極め、適切に対処していきます。
たとえば、傷ついていたら、癒しを施し、弱っていたら、回復を促し、揺れ動いていたら、安定へと導いていきます。
こうすることで、傷ついていたり、弱っていたり、揺れていたりする心の状態を整えていきます。
心の状態が整えば、自ずと、その人が持っている本来の力を発揮することができ、自ら悩みを解決させることができるようになるのです。
人間関係に限ったことではありませんが、あなたも一人で悩まずに、まずは気軽にカウンセリングを受けることを考えてみてください。