「離れる」「距離を置く」~「苦手な人」と関わらないのが一番~
私たちは日々の生活のなかで、さまざまな人と関わりを持っています。
そのなかには、とても気が合う人がいる一方、「どうしても合わない」と感じてしまう人もいるものです。
「気が合う人」とは、存分に関わりを持って楽しめばいいですが、「合わない人(=苦手な人)」との関わり方については、頭を悩ませる人も多いはずです。
「苦手な人」=「ストレス」であるため、対処法としては、「離れる」「距離を置く」ということが基本になります。
ですから、苦手な人とは、「関わらない」「付き合わない」「顔を合わせない」といった方法が許されるのであれば、その方法を選べばいいだけのことです。
つまり、「合わない人」「苦手な人」とは関わらないのが一番なのです。
関わらないわけにはいかない場合は?
自分にとってストレスになる苦手な相手とは関わらないのが一番とはいえ、それができない場合もあります。
たとえば、苦手な相手が会社の上司や同僚、家族や親戚だったりする場合です。
このようなケースでは、相手とまったく関わりを持たないというわけにもいかないのが現状でしょう。
「まったく関わりを持たない」ということが難しい場合は、「できるだけ関わりを持たない」「関わりを少なくする」という方向に切り替えるようにするといいでしょう。
これまでの関りが「100」だとすると、それをいきなり「0」にするのは困難ですから、せめて「90」にするなど、少しでも関わりを減らすようにするのです。それだけでも、ストレスはかなり軽減されるものなのです。
そのためには、できるだけ会わないようにしたり、関わる時間を減らすようにするといいでしょう。
もし、思いがけず顔を合わせてしまうことがあったら、内心では「嫌だなぁ」と思ってしまうでしょう。
そのように思うのは当然のことなので、人のことを「嫌だなぁ」と思ってしまうことを「いけないこと」とか、「そんなふうに思う自分はよくない」などと考える必要はありません。嫌なものは誰だって嫌なものですから、無理に好きになろうとする必要はないのです。
そして、嫌な人と顔を合わせてしまったら、「とりあえず、この場をしのげればいい」と考え、作り笑いでも浮かべつつ、表面的な話や必要最小限の話にとどめ、会話を手短に済ませて、速やかにその場から離れればいいのです。
多くの場合、苦手な人といつも一緒にいなければならないということはないので、常に神経を使う必要はありません。にもかかわらず、苦手な人がそばにいない時までその人のことを考えてしまい、疲れ果ててしまうのです。
気を遣わなければならないのは、苦手な人と接しているわずかな時間だけなのですから、とりあえず「その時」だけ、しのげればいいと考えるのです。
苦手な人と関わることには膨大なエネルギーを必要とするので、長時間、関わっていると疲れ切ってしまいます。
そのようなことにならないためにも、嫌な人との関りは、できるだけ少なくすることで、エネルギーの浪費を減らすようにしましょう。
これは、「苦手な人」という名のストレスから「自分を守る」という意味で大切なことでもあるのです。
ストレスから離れて心の状態を整える
「苦手な人」をそのままにしていると、いつまでたってもその人は「苦手な人」のままです。
もちろん、時間の経過に伴い、「慣れる」ということもあるでしょう。
慣れることにより、それまで苦手に感じていた人に対する苦手意識が消失し、抵抗なく関わったり、自然に会話をすることができるようになることも少なくありません。
しかし、自然の流れに身を任せているだけでは時間がかかってしまうことが多くあります。
ということは、慣れるまでの長い期間は、苦手意識を持ち続け、エネルギーの浪費を続けてしまうことになりかねません。
できることなら、早く慣れたいと誰もが思うはずです。
そのためには、ストレス(苦手な人)を克服する方法や適切な向き合い方・関わり方を習得したいと願う人も多いはずです。
そのためにも、まずはストレスから「離れる」ということが大事であるということを重ねて述べさせていただきます。
「苦手な人」の存在で悩んでいる人は、すぐに「克服法」や「向き合い方」を知りたがるものです。
確かにその気持ちはわかりますが、物事には順序というものがあります。
「克服法」や「向き合い方」を自ら考えて見い出すためにも、まずは「苦手な人」から離れて、心の状態を整えることから始めなければなりません。
そのうえで初めて、「克服法」や「向き合い方」を考えて見い出し、実践していくことができるのです。
カウンセリングで「克服法」や「向き合い方」を考える
ストレスから離れて心の状態が整ってきたら、次に「克服法」や「向き合い方」を考えていくことになります。
先に述べた、「ストレスから離れる」という対処法が一般論であるとしたら、克服法や向き合い方はケース・バイ・ケースと言うことができるでしょう。
つまり、ひとつひとつの事例(ケース)に応じ、個別に考えていく必要があるということです。
たとえば、あなたと「苦手な人」との関係、周囲の人との関係、取り巻く環境などを総合的に考慮して、答えを見つけていくのです。
しかし、これを一人で考えて、適切な答えを見い出すのは非常に難しく、時間がかかるものです。
インターネットで検索すれば、「苦手な人を克服する方法」といった記事を見つけることができますが、そこで紹介されている方法が誰にでも適用できるとは限りません。
ネットで見つけた方法が自分に合っていればそれでOKですが、なかなかうまい具合にはいかないものです。
そこで、私たちカウンセラーを上手に活用していただきたいのです。
カウンセリングでは、ネット上で散見される、信ぴょう性の乏しい情報とは違い、心理学的知見に基づき、個別に「克服法」や「向き合い方」を見い出すことが可能となります。
つまり、あなたに合った対策を見つけ出すことができるということです。
あなた一人で考えて見つけ出すことも不可能ではありませんが、私たちカウンセラーと一緒に考えるほうが、より効率的に「克服法」や「向き合い方」を見つけることができるはずです。
数ある心理学の理論を応用したり、相手に対する捉え方を変えていくなど、さまざまな方法が考えられます。
そして、その方法は必ずしも1つとは限らず、いくつかを組み合わせて実践することで大きな効果を発揮する場合もあります。
「苦手な人」を克服するための、あなただけのオーダーメイドの方法を、私たちと一緒に見つけませんか?