カウンセリングに怒りがわいてしまうと相談に来る方が増えています
怒りたくないのに怒ってしまう、という経験はありますよね?
今回は怒ってしまうときの対処法について、少しお話させていただきたいと思います。
怒っている自分を見つめる
怒っているときは興奮状態にあります。
難しいとは思うのですが、そんな時こそ自分を客観視することが大事です。
「あ、今自分は怒っているな・・・」と気づくだけでも、怒りが収まる場合があります。
怒っている状態というのは、よく考えれば自分が困難に直面している状態です。
少し時間がたっても怒りがぶり返す時には、自分が「なぜ」怒っているのか紙に書き出してみましょう。
次に「本来はこうあるべき」と思うことを書き出してみます。
こうすることで、困っている自分を客観視することができます。
カチンときたときには
では突発的に怒ってしまうときに、どう対処すればいいでしょうか?
一般的に言われていることとして、怒りのピークは6秒で達する、というのがあります。
これはアドレナリンの影響で、一時的に違う生理状態になるためです。
この間に人はひどいことを言ったり、暴力をふるったり、ため息をついたりします。
こういった振る舞いは事態をより悪化させてしまいます。怒ったな、と自覚したら意識をそらすよう工夫してみましょう。
具体的な例としては
・自分の体の一部に触れる
・深呼吸など呼吸法を試す(6秒吸う、6秒止める、6秒かけて吐く、など)
・決まった言葉をつぶやく(自分を安心させるおまじない、念仏など)
・その場から離れる(トイレに行く、など)
また、普段からうっすらとした怒りを常に感じる、といった場合、次のようなリラックス方法も試してみてください。
・シャワーを浴びる。首から腰にかけて重点的に温めてみる。
・ランニング
・ヨガ
・笑う。できない場合には口角をあげて笑顔を作ってみる。
・ゆっくりとお茶を飲む
・好きな本を読む
・好みの音楽をかける
これらの方法も難しいと感じる場合には、脱いだ靴をそろえるなど身の回りを少し整えてみましょう。
自分で自分の快い空間を創り出せる、と思うことで不快感を少なくしていきます。
ポイントはちょっとしたこと、ということです。大掃除をする必要はありません。
怒ってしまったとき、相手にうまく伝える方法
怒っているとき、ついつい相手に対して注意や批判を浴びせがちです。
怒りの原因だけでなく、相手の人格を否定してしまうことも・・・
相手に伝えたい場合には、まず自分のお願いを言います。
次に冷静に気持ちを伝えます。
さらに以下の点に注意します。
・人前で怒らない
・過去のことを持ち出さない
・相手を一方的に責めない
- 相手の非を強調する言葉をつかわない(いつもこうだよね、など)
・自分の程度を相手に押し付けない(しっかり、ちゃんと、など)
これらは自分が怒りを向けられたときにも有効です。
怒っている人の願いと気持ちは何なのかを見極めましょう。
事実は反省し、それ以外の点については受け流すことも必要です。
「他人のせい」から抜け出す
怒りというのは自分の心の中で起こっています。
本来のあなたはいつも怒っている状態でしょうか?
それとも機嫌がよくて、ニコニコとしていますか?
本当の自分は、他の人の言葉や行動に振り回されてはいないでしょうか。
怒りというのは第二次感情だと言われています。
怒る前に、あなたは第一次感情である「悲しい」「不安」「苦しい」「疲れた」「寂しい」などを心の中にため込んでしまいます。
すると本来はただの事実だった出来事に自分で意味付けをしはじめ、怒りへと発展するのです。
まずは自分の感情を認めてあげましょう。
例えば誰かに話したり、自分で声に出して言ってみる、などの方法があります。
また、主体的に行動することも怒りを大きくしないことにつながります。
生じてしまった怒りを消すことは難しいですが、
例えば目の前の出来事に集中する、一日一善、ユーモアを持つ、など自分の意志でよい状況を作ろうと意識することで、
怒る場面が次第に減っていきます。
私たちは特に身近な人たちに怒りをぶつけがちです。
そうなる前に、今回述べた点を少し覚えておくと、お互いを傷つけることが少なくなるかもしれません。
みなさんの生活において、少しでもお役に立てれば幸いです。