季節は春ですね・・・
ここころは北海道にあり、まだまだ桜はこれからなのですが、
道外の友人のフェイスブックには次々と桜やお花見の投稿があがり、
早く私も桜が見たいと待ち遠しく思っています。
実は私の実家にも桜の木がありました。
祖父が若い時に植えたもので、もしかすると花よりも葉のほうが多いんじゃ?というくらいの木でしたが、それでも幼少期の私には毎年の楽しみでした。
ある時、どうしても間近で花が見てみたくて枝を引っ張って折ってしまいました。
怒ったような悲しいような表情の祖父に「桜はとても弱いのだからそんなことしたらだめだ」とたしなめられた苦い思い出があります。
皆さんはこんなことわざをご存知でしょうか?
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」
なんだか物騒なことわざですが、桜は切ってしまうと弱って枯れてしまうけれども、
梅は切られても強いので枝が伸びすぎないように切ったほうがいいのだよと言う教えなのだそうです。
私が手折ってしまった桜はその後どうなったかというと、折れた場所から菌が繁殖しないように、祖父によって処置されていました。
感染しないように傷を塞ぐなんて人間と同じですよね。
それから我が家の桜は枯れることなく、毎年私の目を楽しませてくれましたし、桜を見るたびに今は亡き祖父の姿や声を生き生きと感じることができました。感謝しています。
ここで桜に関するうんちくをおひとつ。
古事記の日本神話に木之花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)というお姫様が出てきます。
このお姫様の容姿がとても可憐で花のようであったそうです。
また、姫の父の言葉の中に「コノハナサクヤヒメだけを妻にするならば、
木の花が咲くように栄はしても、すぐに散ってしまう定めとなるだろう」というものがあります。
見る者の心を奪う可憐な見た目や、咲いてもすぐに散ってしまうところなど、サクラの起源とされているのも納得ですね。
最後に江戸時代に詠まれた俳句をひとつ。
「世の中は三日見ぬ間の桜かな」
世間の移り変わりが激しいことを、桜の花があっという間に散ってしまうことにかけて詠まれた作品です。
私もそうですが、みなさんも自分の進学や就職で環境が変わったり、上司の転勤で人が入れ替わったりと新しい何かに取り組むことが一年で一番多い季節ですよね。
時には心が揺らいだり、ストレスがたまったりしてつらい時もあるかもしれません。
そんな時にはここころのこと思い出してみてくださいね。